竜安寺型つくばい(蹲踞)
禅の思想と茶庭文化が結晶した日本庭園の象徴
私どもの事務所にある手水鉢です。竜安寺型蹲踞(りょうあんじがた・つくばい)という銭形の蹲踞です。

竜安寺型蹲踞は、京都・龍安寺の茶室「蔵六庵」前に置かれた手水鉢を原型とするもので、日本庭園史でも特別な存在です。蹲踞とは、茶室に入る前に手や口を清め、心身を整えるための場所のことですが、この竜安寺型はただの実用品にとどまらず、禅の精神性と茶の湯の美意識が見事に融合した象徴的な造形として知られています。
竜安寺型つくばい(蹲踞)の特徴
この手水鉢の一番の魅力は、江戸時代の銭貨「寛永通宝」をモチーフにした円形デザインにある。真ん中には四角い穴があり、これは「口」の字を表現。周囲には「五」「隹」「疋」「矢」の文字が刻まれ、中央の「口」と組み合わせることで「吾」「唯」「足」「知」と読めるようになっています。蹲踞全体で禅の言葉「吾唯足知(われ ただ たるを しる)」を形にしています。
「吾唯足知(われ ただ たるを しる)」
この言葉は、禅の基本にある「足るを知る」心を表しています。欲望を追えばキリがなく、満足からは遠ざかってしまう。でも、今あるものに感謝し、必要以上を求めないことで、はじめて心の静かな満ち足りた感覚が訪れます。竜安寺の石庭が「15個の石は必ず1つ見えない」という仕掛けで、完璧を求めすぎない心を示すように、蹲踞もまた訪れる人に“心のあり方”を問いかけてきます。水戸黄門こと徳川光圀の寄進と伝わるこの蹲踞は、学問や文化に通じ、禅の思想を庭園に込めることに熱心だった光圀の思いが宿ります。だから竜安寺型蹲踞は、ただの庭の飾りではなく、当時の知識人が大切にした精神性の象徴なのです。
強い物語性
竜安寺型蹲踞は、庭に設置するだけで強い物語性を生み出します。
そこにあるだけで、訪れる人に「足るを知る」という静かなメッセージを伝え、庭の空気を引き締めます。
現在、蔵六庵にある原物は非公開になっており、竜安寺で見らるのはレプリカです。
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